
それでも走っている
列車が、1本だけあるらしい…?
観光もしないで乗るだけの旅って、何が楽しいの?

のりば、確認。
乗ってみよう。
9番線の端。
ヘッドマークには「深夜特急」。
ドアは、開いているようだ。
ボックス席のテーブルに、分厚い本が1冊。
表紙には、手書きで『乗り鉄図鑑』。

知ってる遊び方に「知ってた」を押してみてください。
いくつ押せるかで、今夜の座席が決まります。
隣の駅までのきっぷで、ぐるっと何時間も遠回りする遊び。経路を重ねない・改札を出ない・その日のうちに、が約束ごと。
路線図を、乗った区間から1本ずつ塗っていく。終点の先に何もなくても行く。塗り残しが気になって眠れなくなる。
同じ駅を二度通らずに、どこまで長く1枚のきっぷにできるか。経路を紙に書いて窓口に持っていく、あの緊張感。
長い片道きっぷなら、後戻りしないかぎり途中の駅で降りられる。名前だけで選んだ駅の、何もない駅前がいちばん記憶に残る。
運転席のうしろに立って、前だけを見る。トンネルの出口、すれ違い、信号の色。座席が空いていても座らない。
眠るのがもったいなくて、結局ずっと窓を見ている。通過駅の灯り、踏切の音、知らない街の朝焼け。乗り鉄がいちばん黙る時間。
まだ0個。大丈夫、今夜ぜんぶ乗れます。
※ きっぷのルールは区間や種類によって異なります。
実際に乗る前に、鉄道会社の案内をご確認ください。
……それはまだ1両目。
うしろの車両には、図鑑に書けない遊び方が載ってますよ。
背中に気配。振り向くと、制帽の人が立っていた。
ようこそ。深夜特急の車掌です。
決まってません。
ここは「どこへ行くか」より「どう乗るか」を話す人たちの列車なので。
みんなそう言われてきた人たちです。
「着いたらすぐ折り返すの?」「何しに行ったの?」って。ここでは誰も聞きません。
乗ることが、
もう目的地。
どうぞ。5両編成です。



※ 号車の内容は構想段階のものです。発車までに入れ替わることがあります。
「何しに行ったの?」と聞かない。乗りに行った。それで説明は終わりです。
乗った距離で比べない。全線完乗の人も、昨日はじめて大回りした人も、同じ座席に座ります。
駅と沿線に迷惑をかけない。ルールとマナーを守って乗る人だけが、長く乗り続けられます。



大丈夫です。隣の駅まで1駅ぶん遠回りしてみた、それがもう立派な乗り鉄です。
もちろんどうぞ。ただ、この列車の話題の中心は「乗ること」になります。
必要ありません。お好きな駅名や列車名を名乗ってご乗車ください。
発車日とのりばは準備中です。決まりしだい、このページでご案内します。
旅の話をすると、だいたい
「で、どこに行ったの?」と聞かれます。
答えに困って、
いつのまにか話さなくなった。
そういう人が、気兼ねなく
「ただ乗ってきた」と言える場所を
つくりたいと思いました。
窓側、空けてあります。


深夜特急、
まもなく発車…
降りる駅は、乗ってから決めてください。